イベント報告
2024年
6月8日~17日 シルクロード演奏旅「琴遊天下、夢回敦煌」
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6月8日~17日の10日間、遥か昔、東西の交易路であったシルクロード“河西回廊”を通って古琴を奏でる演奏の旅「琴遊天下、夢回敦煌」(協力:中国甘粛省「非物質文化遺産保存機構」/共同開催:杭州「太音琴社」、その他約30琴社)に参加しました。
総勢参加者数87名のうち、海外からの参加者は私たち8名(日本古琴振興会)のみ。
日本から上海に渡り、さらに上海から蘭州へ向かいました。そこからバスで河西回廊を進みながら、紀元前2世紀頃にまで遡る悠久のオアシス(蘭州~武威~張掖~酒泉~嘉峪関~敦煌)に身を置くという贅沢な時間でした。旅の中では古琴演奏会が9回設定されていましたが、日本古琴振興会が出場したのは4回の演奏会です。
第1回目は甘粛省の図書館で開催された「太古遺音」、2回目は嘉峪関城楼での「辺塞賦」、3回目は敦煌の上元戯楼で行われた「楽動敦煌」、そして最後は敦煌月牙泉での「泉・境」でした。第1回目の演奏会「太古遺音」では、「龍朔操」曲(別名「昭君出塞」)を演奏しました。
この曲は、昭君が西域から胡の国へ行く様子が表現されています。
2回目の「辺塞賦」演奏会では王麗芳さんと(高)先生が「平沙落雁」曲を演奏しました。
敦煌では、先ず上元戯楼では古琴と笛子の合奏で「陽関三畳」曲を披露し、最終日の演奏会「泉・境」では国際的にも有名な楽曲「もののけ姫」を紹介しました。演奏の旅の期間中、参加者全員で力を合わせて、様々なハプニングを乗り越え、個人演奏も団体演奏も、そして担当した全てのステージも素晴らしい演奏でやり遂げました。
万里の長城には関所が13か所あります。河西回廊には玉門関、陽関、嘉峪関の3か所があり、陽関の遺跡を訪れた時に、参加者87名全員で琴曲「陽関三畳」を大合唱しました。日本古琴振興会にとっては非常に有意義な経験となりました。
ある参加者からの感想です。「ステージは生物であり変化する、どのような状況に置かれても予想外の出来事が起ころうとも柔軟な対応をし、動じずに演奏する心構えが必要である、そんなことを勉強させていただきました」