イベント報告
2022年
12月11日(日) 昇段発表会および昇段証書の授与式(東京都品川区)
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「昇段発表会および昇段証書の授与式」を開催しました。
11月26日(土) 千年の音色 見て・聴いて・触って楽しむ古琴演奏会(沖縄県うるま市)
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「東皐心越禅師没後320記念法会」(2015年開催)で、日本音楽学習学会の方々とご縁をいただいておりました。
そのご縁により、音楽科教育研究会沖縄TIDA-KANKANの研究会第二部において「千年の音色 見て・聴いて・触って楽しむ古琴演奏会」(会場:沖縄県うるま市立中原小学校)を披露する機会がありました。
演奏会では伝統曲「双鶴聴泉」「大哉引」「碧間流泉」の3曲と、古琴二重奏「竹田子守唄」、古琴とビオラ「家路」、そして「もののけ姫」をアンコールに披露。
演奏会後の古琴体験の時間では音楽の先生方が古琴を弾いたり、写真を撮ったりと楽しい時間をご一緒しました。
7月15~16日 庄内の歴史と文芸を未来へつなごう (山形県鶴岡市)
山形県で「古琴演奏会」を開催(2公演)
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「庄内の歴史と文芸を未来へつなごう」をテーマに、古琴と所縁が深い山形県で、二つの「古琴演奏会」(15日「音を楽しむ」、16日「庄内文化を知る」)を開催しました。
山形県の庄内文化に触れながら、古琴の音に親しんで頂けましたことを喜ばしく思っております。
この度の古琴演奏会は、江戸時代の1622年より鶴岡・庄内の藩主をお勤めになられた「酒井家庄内入部400年記念事業」の一環で行われました。
酒井家を中心としたこの地の人々は、「学問は堯舜(中国古代、徳をもって天下を治めた聖帝、堯と舜)を手本とし、孔子を教師とせよ」という教えのもと、庄内学なる独自の教学精神を築かれたと言います。
庄内の歴史、深い教養に根差す文化を、庄内の方々と共に、学びを深め、古琴を通じて未来につなげる一助となれますよう、この演奏会を契機に一層強く願っております。尚、本演奏会は、文化庁「コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業」のご支援を受けております。
7月15日(金) 古琴演奏会「音を楽しむ」 (山形県 鶴岡市立加茂水族館クラゲドリーム館)
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この古琴演奏会は、加茂水族館内の直径5メートルの巨大な水槽に約1万匹のクラゲが優雅に浮遊する「クラゲドリームシアター」で行われ、クラゲの鑑賞に訪れた方にも古琴の音をはじめて聴いて頂く貴重な機会となりました。
江戸時代、この庄内の地を訪れ、「古琴」を弾じ、この地で人生を全うされた琴人がおられました。
この故人を偲ぶと共に、古琴をはじめとして庄内の文化芸術、この地に所縁のある方との共演を通じ、クラゲの浮遊する姿にあわせ、癒しをお届けできたらとの思いで開催いたしました。「調絃入弄」 (『東皐琴譜』より 打譜:武井欲生)
演奏:大隈雅玉江戸時代には開場曲として定番であったと言われる曲で開幕いたしました。
「虚空」 (尺八古典本曲)
演奏:山澤静華尺八古典本曲の中で最古の曲とされる「古伝三曲」の一つで、明暗流、琴古流など多くの流派に伝承されています。鶴岡ご出身の山澤静華氏の尺八でお届けしました。
「碧澗流泉」 (『古岡琴譜』より)
演奏:武井欲生山の奥で湧き出している泉が、ゆるゆると木々の間を通り、時に、石に跳ね返されたりしながら、留まることなく、山を下ります。そして最後には大河へと流れ込む情景を、当会代表・武井欲生の澄みやかな演奏と共にクラゲの揺蕩う姿をご堪能頂きました。
「松風」 (尺八古典本曲)
演奏:【尺八】山澤静華 【琵琶】梅津芳水 【ダンス】石原玉美根笹派錦風流の本曲。「松風調」という前吹曲と「松風」を、山澤氏の風と呼応する尺八、鶴岡でご活動をされておられる梅津芳水氏の気魄に満ちる琵琶、石原玉美氏の伸びやかなダンスの共演によりお届けしました。
「クラゲ随想曲」 (編曲・文:武井欲生)
演奏:【古琴】武井欲生 【尺八】山澤静華 / 語り:中村橋吾起死回生の「奇跡」を起こした加茂水族館の物語を、クラゲの気持ちになって語るユニークな独創作品を、日本で初となる古琴の音楽と歌舞伎のコラボレーションにより、力強くも心温まる語りに導かれ、その奇跡の感動物語を辿りました。
「帰去来辞」 (『東皐琴譜』より)
演奏:章王寧中国の魏晋南北朝時代の詩人・陶淵明の『帰去来の辞』をもとにした本曲は、古琴の曲として、江戸時代の文人琴士の間で愛されていました。
「晴耕雨読」の生活を望み田園風景の中で生活していきたいという素朴な心境を語る古琴の音を弾じました。「家路」 (作曲:ドボルザーク 編曲:武井克之)
演奏:【古琴】武井欲生 【ビオラ】早川葉子 【人の声】小田切貴玉東洋楽器と西洋楽器の調和、日本初の古琴とビオラの協奏によりお届けしました。
「もののけ姫」 (作曲:久石譲 編曲:武井欲生)
演奏:武井欲生二面の古琴を同時に演奏する史上初の編曲、驚異の意欲作。
一面の古琴は「善」を、もう一面の古琴は「もののけ」を表現します。
最終的な勝ち負けは決着がつかないまま戦いが延々と続いている現実を包括し、武井欲生による二面の古琴の気魄と叙情溢れる驚嘆の演奏により感動の渦に包まれ、昇華されていきました。「舞台交響曲」
演出:中村橋吾 / 伴奏:武井欲生 山澤静華新型コロナ禍の中「芸術は自粛できない」をコンセプトに様々な分野のアーティストが参加したプロジェクト作品です。
ラジオ体操という日常生活行動の表現が取り入れられた本演目。
一刻も早く新型コロナ禍を乗り越えた“日”を迎えよう、とのメッセージを込め、中村橋吾氏の陽気と活気に充ちた演出で締めくくられました。クラゲの鑑賞に訪れていた方もこの古琴演奏会にご来場され、古琴とそのさまざまな共演にふれ、思いがけないこの貴重な演奏会「音を楽しむ」をお楽しみ下さいました。
7月16日(土) 古琴演奏会「庄内文化を知る」 (山形県 鶴岡市佳興堂)
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江戸時代、庄内藩に古琴(七弦琴)の名手で相良儀一という文人がおられました。
その遺愛の古琴をこの庄内の地にうずめたという伝説が受け継がれています。
鶴岡市の旧家・佳興堂(「佳興堂」の名は中国北宋時代の儒学者・程明道の七言律詩「秋日偶成」のなかの『萬物静見皆自得 四時佳興與人同』に由来)での古琴演奏会は、その物語を語りながら曲を演奏し、庄内に息づいていた文化文芸を掘り起こす演奏会でありたいと願い企画しました。
この演奏会の開催によって、庄内の方々と共に「庄内の歴史と文芸」を再興し、また、継承しながら、地域の歴史と文化を発信する一助となれますよう尽力いたしました。
「調絃入弄」 (『東皐琴譜』より 打譜:武井欲生)
演奏:王冬陽佳興堂での演奏会も、江戸時代には開場曲として定番であったと言われる「調絃入弄」で開幕いたしました。
「憶故人」 (『今虞琴刊』より)
演奏:大隈雅玉 美しい月のかかる山の中に、一人の文人が佇んでいます。遠く離れて音信の絶えた親友のことが思い出され、寂しさや、懐かしい友人への思いを込めて琴を弾じました。これを周囲の木々が受け止め、また反響させて、音を山の奥へと運んでゆく様が奏でられました。
「金峯山瘞琴碑」 錦心流琵琶曲 作詞:東山昭子 作曲:辻有水
演奏:【琵琶】梅津芳水 【尺八】山澤静華金峯山に琴をうずめた史話を琵琶曲にした作品。梅津芳水氏の語りと琵琶の演奏、山澤静華氏の尺八の共演により、その史話に感じ入り、心を震わせました。
「幽澗泉」 (『東皐琴譜』より 打譜:武井欲生)
演奏:章玉寧盛唐詩人・李白の詩「幽澗泉」をもとにした曲です。ひっそりした谷間に響く琴の音が、泉の水の音等自然と共鳴し、高雅でありながら、どこかもの悲しさのある様相を弾じました。
「鹿の遠音」 (尺八古典本曲)
演奏:山澤静華本曲の中で最も知名度が高い曲の一つ。秋の深山で鳴きかわす二頭の鹿を思い、山澤静華氏の尺八演奏により、深遠な世界へと誘われていきました。
「大哉引」 (『東皐琴譜』より 打譜:武井欲生)
演奏:小田切貴玉儒教の教書「中庸」第27章。
(大なるかな聖人の道は、洋々と流動充満して、万物を発育させ、高大なる天を極めます。優々として大なるかな、礼の大綱である三百、威儀三千は、それらは到誠の人を待った後行われるものなのです。ゆえに、いやしくも到誠の人でなければ、道は成らないといわれるのです。)
※読み下し(日本語訳):淀 豊長「神人暢」 (『西麓堂琴統』より)
演奏:【古琴】川瀬玉蘭 【舞踊】加賀谷早苗中国の神話に登場する伝説の皇帝・堯が作ったとされます。
最古の曲。
「暢」は心地よくのびやかであるという意味です。
神秘的な雰囲気をもちながら、神と人が互いにのびのびとした心で生きている様が表現されます。
川瀬玉蘭の古琴演奏と加賀谷早苗の舞踊の共演によって、佳興堂の庭園を借景にこの伝帝・堯を学問の手本とされたという庄内の地に今も息づく自然、神と人とののびやかな共生を感じつつ、古の世界を出現させました。「楚歌」 (『神奇秘譜』より 打譜:武井欲生)
演奏:武井欲生 呉本玉道 羽下玉風劉邦率いる漢軍と、項羽率いる楚軍が天下を争った「漢楚戦争」は紀元前202年の「垓下の戦い」において決しました。その前夜、項羽は、自軍を取り囲む敵陣営から、楚の歌が流れてくるのを聞き、寝返った楚人の多いことを嘆きました。
「四面楚歌」の熟語はここで生まれました。
古琴の演奏と共に中国語の詩吟が詠われ、古琴の音と人の声音が悲壮な物語を紡ぎ、悲しみが沁みわたってゆきました。「最上川舟唄」 (山形県民謡)
演奏:【古琴】三浦雪玉 【古琴】武井欲生 【尺八】山澤静華盛唐の詩人・李白が友を思って詠んだ詩があります。
故人西辞黄鶴楼
煙花三月下揚州
孤帆遠影碧空尽
唯見長江天際流
故人西のかた黄鶴楼を辞し
煙花三月揚州を下る
孤帆の遠影碧空に尽き
唯だ見る長江の天際に流るるを
この李白の詩と山形民謡の最上川舟唄をメドレーにしてお届けしました。
李白の漢詩の古琴演奏と吟詠は、三浦雪玉。
吟詠される友への思いが心に沁み渡り溢れる涙が川へと重なってゆきます。
最上川舟唄は、大江町左沢の船頭唄を原曲として昭和11年に作られた歌です。
山形県民のほとんどが歌えるというご当地ソング。(この演奏会の帰路、車の運転手さんに「最上川舟唄をお歌いになられますか?」とお尋ねしますと、意外なことに「私は、唄はだめです。運転だけです」と謙遜され、庄内の方の奥ゆかしさを感じました。
「船頭さんの唄は良いですよ」とお勧め下さいました。)
李白の詩にある長江のゆったりした流れから最上川の流れへと展開する雄大さをもって、庄内の地、鶴岡への感謝をこめて演奏いたしました。
詩と唄に貫かれる遠く離れる人への思いが心、そして、佳興堂に響き渡りました。「家路」 (作曲:ドボルザーク 編曲:武井克之)
演奏:【古琴】武井欲生 【ビオラ】早川葉子 【人の声】小田切貴玉前日の古琴演奏会「音を楽しむ」でお届けした初の古琴とビオラ、声の協奏、その調和がさらに深まり、懐かしさに包まれました。
「故郷」 (作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一)
佳興堂にご来場の皆様がお座りの客席からもやさしい歌声が響き、会場が故郷への思いで一体となり、心温まる閉幕となりました。
山形県鶴岡の皆様に温かくお迎え頂き、「庄内の歴史と文芸を未来へつなごう」の思いで2日間の古琴演奏会「音を楽しむ」「庄内文化を知る」をやり遂げ、お届けすることができました。
鶴岡の皆様をはじめ多くのご協力者の方々のご支援のおかげでございます。
心より深い感謝を申し上げます。
4月16日(土) 日中文人古琴交流会(千葉県一宮町 正法山明法院)
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「日中文人古琴交流会」を千葉県一宮町の明法院にて開催。
同交流会は毎年春に東京上野の応挙館で開催されていた「日中文化古琴交流会in応挙館」に代わるイベントとなりました。
中国山東省の諸城古琴協会の提案により、国際規模でのオンラインイベントが実現しました。
中国山東省諸城市文化と旅行局、諸城市メディアセンター、諸城古琴協会、千葉県一の宮町、法華宗正法山明法院、そして日本古琴振興会が共同で開催。
日本側は事前に演奏会を録画したものを配信する運びとなりました。
当日、会場「明法院」では抹茶を立て、中国と日本の2つの会場の画像を映しました。
2月15日(火) 古琴と生け花のコラボレーション(横浜山の手中華学校)
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横浜華僑総会主催の春節聯歓晩会に日本古琴振興会が出演しました。
花道家・林豊蔵先生と福井晶崇先生との共演で、武井欲生先生が「花道と古琴・梅花三弄」の演目に出演しました。
舞台上での古琴と生け花のコラボレーションは初挑戦となりました。
古琴は指揮者の役で、音楽に合わせて、花道の先生方が花で舞台を彩っていきました。
音楽が止まった時に花道も完了。
私たちにとって非常に貴重な経験となりました。